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「新・方法」第18号

寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第18号をお届けします。寄稿者は、美術家であり、冊子「全感覚」の創刊をひかえている全感覚派を標榜するTaxxakaさんです。

[寄稿]

モンテ・へルマンの映画に見る「方法」と「新・方法」
Taxxaka(美術家/全感覚派)

*以下文章は『果てなき路(みち)』パンフレット(発行boid)を参照している。

伝説の映画監督モンテ・ヘルマンは2012年、21年ぶりの新作となる『果てなき路』を発表した。その日本公開にあわせ、伝説的なニューシネマ作品『断絶』(71年)のニュープリントも公開された。『果てなき路』は「フィルム・ノワール」の手法を取り入れたが、ハリウッドでその言葉は禁句だとヘルマンは言う。また『果てなき路』は我々の愛した多くの映画についての思い出だとも。

『果てなき路』はノース・カロライナからL.A.に至るロケを敢行しているが、『断絶』はL.A.に始まり、テネシー/ノース・カロライナに至るロケを行っている。それらは一つの円環で結ばれる。

撮影監督ジョセフ・M・シヴィットは、『果てなき路』で「1950年代の3色式のIBテクニカラーに」とても近い映像をキャノン5D MARK IIというデジタルカメラで実現した。『断絶』はIBテクニカラーの使われた最後の数本のうちの一つと言われている。

二台の車で不毛な愛を疾走する『断絶』での役名は、「ザ・ドライヴァー」「ザ・メカニック」「ザ・ガール」という記号性の強いものだ。「ザ・ガール」のローリー・バードは当時17歳。役そのままの美しいヒッピー少女だった。『果てなき路』はローリーに捧げられている。

[新・方法主義者のウェブ作品]

- 平間貴大

ピエト・モンドリアン《ブロードウェイ・ブギウギ》

http://hrmtkhr.web.fc2.com/new-method/018_j.html

《ブロードウェイ・ブギウギ》は、ピエト・モンドリアンが制作した作品である。

- 馬場省吾

量と境界 第二番

http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/018_j.html

量と境界とは表裏一体の存在である。量という概念は、ある事象が連続になっている状態として成立し、その連続と別の連続の間が境界となる。数とは、ある事象の連続である。今作では境界は明示されないが、連続と連続が明示される。今作は『昇順へのソート 第二番「シェーカーソート」』の、量と境界を示している。

- 皆藤将

ネジリンクコレクション -皆藤はネジへリンクする、あるいはできない。-

http://masarukaido.com/newmethod/b018_j.html

今作では前作のサボテンに続きネジの画像をコレクションした。リンクコレクションでは、何かがコレクションされればそれでよく、コレクションされる対象自体に作品的な意味はない。コレクション対象のセレクトも、皆藤の偶然的で恣意的な判断に基づいている。

[お知らせ]

- 「名刺」 http://7x7whitebell.net/new-method/namecard_j.html

- 「新・方法」は、「supersense」(2012年4月15日、HIGURE 17-15 cas、東京)に出演します。 http://bigakkobar.jp/supersense/

- 「新・方法 in SPES LaB.」 http://7x7whitebell.net/new-method/speslab_j.html

- 「新・方法」はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/new-method/

- 平間貴大はウェブサイトを更新しました。 http://hrmtkhr.web.fc2.com/

- 馬場省吾はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/

- 皆藤将はウェブサイトを更新しました。 http://masarukaido.com/

- このEメール機関誌の配信をご希望のかたは編集者または新・方法主義者にご連絡ください。

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[編集後記]

新体制の新・方法から「名刺」が配信されてきました。3月17日のイベントでは新・方法は名刺交換を行いました。初めての挨拶には名刺があり、名刺があれば交換をする。正しいですね。では、次号もお楽しみに。 (M)

発行人

平間貴大 @qwertyu1357

馬場省吾 @shogobaba

皆藤将 @kaido1900

機関誌「新・方法」第18号 日本語版

2012年4月4日発行